「いい話があるよ」と昼休みに同僚から言われた。
「給料安いじゃん。でも、バイト禁止だし、そんな体力もないでしょ、受付の子は、会社終わってからどっかでバイトしてるみたいだけど、うちら、一日座ってられる仕事じゃないし、残業あるから時間通りなんて帰れないもんね」
何かの勧誘だろうか?宗教とかネズミ講?そんなことに手を出すような奴じゃなかったはずだけど。
「たしかに、給料は安い。バイトは時間も体力も無いから無理。だけど、怪しい話なら聞きたくないね」
「違うって!投資だよ。投資。最近始めたの。日経225ミニ(mini)ってやつなんだけど。知ってる?」
「なんだ、投資かぁ。でも、投資には手を出すなって言われてるんだよね。親から。なんでもじいちゃんが昔、商品先物取引ってやつに手を出して、失敗したらしいの。だから、おじいちゃんの遺言ってやつ」
これは本当の話だ。おかげで、うちの畑は半分以上売らなければならなくなったらしい。投資とギャンブルには手を出すな!というのが家訓である。
「遺言って。古いなぁ。今は投資の時代だよ。日経225なら日経平均株価見てればいいから難しくないし。日経225miniっていうのは、資金もそんなにいらないし、お薦めなんだけどな」
食べ終わった弁当の容器を捨てながらも話は続く…。このまま食後のコーヒー買いに行くスターバックスにまでついてくるつもりか?
「興味があったらやってみてよ〜。お友達紹介キャンペーンで今ならお得なのよ〜」
なんだ。そういうことか。どうりで熱心なわけだね。悪いわね。私を誘うのは諦めてちょうだい。
「コーヒー買ってくる」
そういって置いて来てしまった。つまらない話だとは思わないが、友達紹介したらお得になるとかいう目的で誘われるのは好きじゃないんだ。
気分直しに、コーヒーはゆっくり飲んでから、職場に戻ることにしよう。